プラズマとは


プラズマは電磁場を介して集団運動する荷電粒子の集合体です。荷電粒子は磁力線に巻きついた螺旋運動をすることを利用して、プラズマを適切な磁場配位を作って閉じ込めることができます。閉じ込められたプラズマを高温に熱すると核融合反応を起こします。プラズマの温度や密度を保つためには、外部から熱や粒子を供給しなければなりませんが、これらはプラズマ中で輸送され、最終的には外部に失われていくというダイナミックな系で、熱平衡からは遠い状態にあります。また、高温プラズマでは衝突による散乱が起こりにくくなるため、散逸が著しく小さくなり、非線形性が顕著に現われ、それが発展して乱流状態が形成されます。更にプラズマは複数の状態の間で遷移を起こし、自ら構造を形成していきます。プラズマ中の揺らぎの安定性や統計的性質を特徴づけることは重要であり、本研究室でも様々な手法で揺動の測定・解析を行っています。

プラズマ物理学は、21世紀の科学技術を支える重要な学術分野の一つであり、これを基盤として広範な自然科学・工学の発展が期待されています。プラズマのふるまいの理解を通し、自然科学の新たなパラダイムが確立されようとしており、また半導体等のプラズマプロセッシングのような高度技術への応用の開拓にも期待が寄せられています。このような学界の情勢と機運は、世界共通のものであり、プラズマ物理学は今一つの発展期を迎えているといえるでしょう。